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境界線
今回は京都駅南東に位置する『東福寺』周辺を目指してやってきました。

電車で降り立ったのは京阪の鳥羽街道駅です。

ただ残念なことに、周辺は工事中のため、景観があまりよろしくありません。
鳥羽街道駅から東福寺へ向かうために駅から東に進み、突き当りを北上したところです。

狭い道ですが、交通量がそれなりにある道です。
その途中、鮮やかな朱色が目についた神社が。
社名は『田中神社』。
昔からあるみたいですが、最近改修したのか全体的に綺麗です。

唯一古さを物語るのはこの石柱くらいです。
境内はこんな感じで広くはないです。
本殿へはこれ以上進めません。
ここより先は神聖な領域なのでしょう。
白さが目に鮮やかな紙垂がそう物語っています。
ただ、その奥には現代風の物置のようなものが…

まぁ、あれは物置に見えるだけで、中には霊験あらたかな鏡とかが納められているのでしょう。きっと。
田中神社から少し北に歩くと、見つけました。それらしい門を。
小さいですが、しっかりと外界からの侵入を遮断できそうな門構えです。
ただ、門をくぐった先にも一般の家屋が。

自宅に戻り調べましたが、この門を含めた壁がぐるっと寺エリアを囲っている、というわけではなさそうでした。
ですから、たとえ門が閉じられても、この少し先の道から門の反対側には辿り着けそうです。

この門、どういった意味があるのでしょうか…?
昔の名残なのか、はたまた、宗教的な意味があるのか…
テクテク歩き、途中の『桂昌院』を過ぎた先にあるこの道で北上することに。

この道の左手が『東光寺』、右手が『東福寺』になります。
道を歩いていたら、それなりの広さの土地のど真ん中に、石碑だけが立っている広場が。
後で調べたところ、東福寺のWebサイトに、ここは『摩可阿弥の森』だと書かれていました。
近くで見ようと思いましたが、画像の入り口(と思しきところ)には鎖が張られていたので断念。

何とも不思議なところだなぁ、と思っていたら、この狭い道に一台の市長選の選挙カーが。
しかしこの道に居るのは私一人。
私の遥か後方に居る選挙カーからはウグイス嬢の絶え間ない大音量ボイスが放出されています。
「この道には私一人だから音量を下げて欲しいなぁ」と思いながらも、まじまじと石碑を眺めていました。
ですが、一向に静かになる気配なし。
腹が立ってきたので、あからさまに耳を手でふさいで横に避けました。
が、ウグイス嬢は怯むことなく「お騒がせして申し訳ございません。『(立候補者)』が京都を変えるため何卒、皆様のお力を…」と、がなりながら私の真横を通り過ぎました。

一メートルも離れていない真横を大音量でわめきながら、ゆっくりと通りすぎる…
当選することしか考えてないんだなぁと、しみじみと思いました。
こういう立候補者には票を入れないでおこう、と固く決心しました。

まぁ、私はこの街の人間ではないのですが。
気を取り直して歩いていると、程なくして東福寺の出入り口の門に到着。
門をくぐってすぐの眺めです。
一つ一つの建物が大きいです。
期待が高まります。
東福寺は1236年に建立されたとのこと。

しかし、寺社仏閣というのはよく火災に見舞われますね。
木造だからでしょうか。
本堂です。
建物自体に迫力を感じます。
本堂には天井に龍が描かれ、本尊の釈迦三尊像が安置されています。
モノトーンで表現されているからか、龍に凄みを特に感じました。
にしてもカッコいいです。
脇侍が、中央の釈迦如来を見つめているのも興味深いです。
本堂と道を挟んだ向かいにある『禅堂』です。

室町時代に建てられ、当時は400名以上の僧侶が修行を行ったとのこと。
こちらは禅堂の隣に建てられている『東司(とうす)』です。
機能は共同のトイレです。
中はこのような感じです。
次に『三門』に向かいます。
本堂の隣に建てられています。
二階部分に上がれるほど大きな門です。
ただし二階は期間限定の公開となってます。
またこの二階へ上る階段、傾斜がかなり急です。
二階には仏像や羅漢像等が安置され、天井には極彩色な飛龍や迦陵頻伽(かりょうびんが)等が描かれていました。
ただし撮影は不可です。

毎回思うのですが、なぜこういった所、撮影不可なのでしょう…?
中はこんな感じです。
写真、撮ってますね…

仕方ないので看板で我慢しました。
こちらは『五社成就宮』。
三門から見て東に位置します。

この社は、寺の鎮守のために建立された神社で、石清水八幡・加茂・稲荷・春日・日吉の五社を祀っているとのことです。
鳥居が連なっているとグットきます。
そして、何かが綺麗に並べられている風景にもグットきます。
ただ、登り切った先には、こぢんまりとしたほこらがいくつかと…
味のある狛犬が…
一対。
それと、突いたら怒られる梵鐘が敷地内に収められていました。
先ほどの鳥居群を抜け東福寺側に戻りました。

鳥居群を右に折れ、少し行くと『最勝金剛院』へと続く道が。
参道を進むと、地面に石が埋めてある道に変わりました。
こういう造りの道を初めて見ました。
これはデザインなのでしょうか? それとも滑り止め?

ただ、この道を行った先にはお墓があるだけでした。
踵を返し、本堂の北にある『方丈』まで来ました。
ここには枯山水等の見応えのある庭園があります。

が、看板の写真を見て満足したので、今回はスルーしました。
方丈の脇道から、気になってた橋の一つ『偃月橋(えんげつきょう)』へ来ました。
屋根付きの橋というのがイイです。
これも味なんでしょうが、虫食いの痕は私は抵抗があります。

また、橋の下は申し訳程度の川が流れています。
渡り切りましたが、特に琴線に触れるようなものがなかったので戻ります。
次は二つ目の橋『通天橋』です。

こちらは有料で、橋や様々な木が植えられている庭園を楽しめます。
通天橋に到着です。
偃月橋と比べると綺麗で少し大きめです。
橋からの庭の眺めです。

時期外れなため全く華が無いです。
橋を越え、石畳に従い進むとここに繋がってました。

これは『開山堂』と呼ばれている建物です。
庭の砂地には市松模様が。
開山堂を後にし戻ることに。

戻る際は、来た道を戻るのではなく、通天橋の下に広がっていた庭園を通ることにしました。
う~ん…
やはり風情が無いですね。
通天橋で東福寺境内は一通り見終えたので、次は三つ目の橋『臥雲橋』に向かいます。
と、その前に、折角なので途中の路地に入りました。

そこで不可解なものを見つけました。
こちらです。
右上を御覧ください。こんな所に呼び鈴が。

これ、特に小さい門構えでもなく、一般的な大きさの門です。
何故こんな高さに…
ピンポンダッシュ対策でしょうか…
それともかなり背の高い知人が多いのでしょうか…

謎です。
謎を抱き小首を傾げながら、三つ目の橋『臥雲橋』に到着しました。
こちらは歩行者のみ通行可能の一般道でした。
橋の途中からは先ほど通った、通天橋下の庭を見ることが出来ます。
ちなみに、東福寺敷地内から見た臥雲橋の眺めです。
橋を渡った先にある『明暗寺』です。
この寺はそんなに大きくないです。
ですが、その狭い境内に森や苔の絨毯、石畳、庭園と言った、大きな寺社にありそうなものがコンパクトに収まっていました。
またゴミ一つなく、清潔感も感じられました。

近くにあれば、ちょくちょく訪ねているだろうと思います。
今回はこの辺りで退散します。